膝の痛みが起こる疾患は数種類ありますが、膝の内側に痛みが発生している場合、鵞足炎や変形性膝関節症、タナ障害という疾患が考えられます。
鵞足炎は膝の内側で骨と腱が擦り合ってしまうことが続き、炎症を起こしてしまうために起こります。膝を曲げたり伸ばしたりすることが炎症の原因になるため、激しいスポーツだけでなく日常的な運動でも起こる可能性がある疾患です。膝の痛みの主な原因としてよく挙げられます。
変形性膝関節症は10代にも!
変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減り、関節同士の間隔が狭まることで接触が生じ、炎症が起こり痛みが発生するという症状です。軟骨がすり減るのは骨が弱くなる高齢層に多く、ベッドから立ち上がるといった動作でも痛みを感じるようになってしまいます。
タナ障害は、タナと呼ばれる膜が膝蓋骨と大腿骨の間に挟まってしまうことで大腿骨と接触してすり合ってしまい炎症が起こり、痛みや腫れといった症状が出る疾患です。
膝を多く使うことで起こりやすくなることに加え、10代から20代という若い年齢層に多く、その中でも女性の割合が高い疾患として知られています。
これらの膝の痛みが発生する疾患の共通点は、膝の内部で腱や骨などがこすれてしまうことで炎症が発生しているということです。膝の内側の痛みを治すには、炎症を抑えることが重要です。
最も基本的な方法は、安静を保つことです。できる限り膝の曲げ伸ばしを伴う動作を避けることで膝内部の擦れ合いを無くし、さらなる炎症の発生を抑えて治癒を待つのです。症状が軽ければ安静にしているだけで数週間程度の期間があれば回復します。
炎症が発生した直後に強い痛みがある場合は、水や氷を使って患部を冷却するアイシングを行うことも有効です。炎症を抑える効果があり、痛みが薄れるのです。
また、消炎効果を期待して湿布を貼ったり、痛み止めを打つことや鎮痛剤を飲むことでも痛みを和らげることが可能です。
治りはじめてきたら、マッサージを行うことで筋肉をほぐして擦れ合いを減らしたり、テーピングで膝の可動域を限定することも効果があります。