美容や健康のためにウォーキングを始めたら、膝が痛み出したという人は意外に多いと言われます。
そのままウォーキングを続けてもいいのかどうか、わからなくて不安になる場合もあるでしょう。基本的には膝の痛みなどの関節痛の症状が出た場合は、無理をせず安静にするべきだといえます。
膝の痛みが出始めるのは中高年の方が多く、特に筋肉の少ない女性が比較的多くみられます。
多くの場合、様々な要因により膝に炎症が起こることで、そのままウォーキングなどの運動を続けると、炎症が悪化する可能性もあります。
この場合の痛みは、膝の内側に起こることが多いです。その理由としては、大腿部(太もも)の筋肉が膝の下部にある骨などとくっつく部分、「腱」が膝の内側に集中して通っているからです。
この腱が、疲労などでピーンと張った状態にあるときに、ウォーキングなどの膝の曲げ伸ばしが多い運動を行うと、骨と擦れて炎症が発生します。
また、老化によって膝関節の軟骨がすり減ってしまい、関節炎が起こることもあります。この軟骨の摩耗が悪化すると、骨そのものがぶつかってしまい、より激しい痛みを生じます。
痛みがひどい場合は整形外科を受診することがすすめられます。整形外科ではシップや非ステロイド性抗炎症(いわゆる痛み止め)が処方されることが多いでしょう。また炎症を鎮めるためのアイシングや温熱療法に関するアドバイスを受けられます。
ただ、これらの治療は根本的に膝の痛みの原因を取り除くものではないため、いったんは痛みが収まっても運動などを行うと再発する可能性があります。
根本的な治療がどのようなものであるかは、現在感じている膝の痛みの原因が、どの部位に起こっているのかなどを正確に把握する必要があるため一概にはいえませんが、膝の痛み全般における対策はいくつか挙げることができます。
まず、脚部、特に大腿部の筋力を維持することが重要です。大腿部の筋肉には膝にかかる衝撃を吸収し、また膝を安定させる役割があります。また柔軟性も必要です。筋肉が緊張した状態では、関節が擦れやすくなるためです。
膝にかかる荷重や、運動の際の衝撃を減らすことも有効です。そのため、底部に柔らかい素材が使われているシューズの着用や、減量が推奨されます。